はじめに
病院生活から日常生活への移行は、患者さんにとって大きな一歩です。特に退院日は、新たな生活のスタートを意味し、その初日に訪問看護師が来ることは、患者や家族にとって安心感をもたらすとともに、医療的なサポートを直接受けられる大きなメリットがあります。しかし、退院日に訪問看護を実施するためには、いくつかの条件や注意点が必要です。
理由としては退院日というのは入院している日としてのカウントになるため在宅に戻ったとしても扱いとしては病院にいる日数にカウントされます。また、処置などが必要だとしても病院で行ってから帰れば問題ないという前提のもとで退院となっております。しかし病院と在宅では環境も大きく異なるため病院でやってたことをスムーズに在宅生活に移行することは困難であり、時には訪問看護師が医療的な側面から助言を行うことも必要になります。
この記事では訪問看護が退院日に介入するための条件を解説します。
ちなみに訪問診療は退院当日でも介入することができ算定も可能です。
退院当日に訪問看護が介入できる条件〜介護保険の場合〜
介護保険の利用者様で退院日に介入が可能な条件は以下になります。
①特別管理加算を算定できる場合
→特別管理加算IもしくはⅡが算定できる場合は、通常通り時間で区分された訪問看護費を算定します。
ただし本人、家族、CM様が同意の上で指示書の期間内であることが条件です。
令和3年4月からは、医療保険と同様に主治医が必要と認めた場合にも訪問看護サービスを利用できることになりましたので、この場合も通常通りに算定します。あくまで医療的な処置や観察が必要な場合となります。
退院当日に訪問看護が介入できる条件〜医療保険の場合〜
退院当日は入院期間の扱いとなるため、退院日に訪問看護療養費は算定できません。
そのため、退院日の翌日以降初日の指定訪問看護の実施時に、訪問看護管理療養費に加算して退院支援指導加算を算定します。
訪問看護が訪問できる条件は以下になります。
①厚生労働大臣が認める疾病等のもの
いわゆる別表7、8に該当する利用者様になります。
別表7に関しては以下の記事をご確認ください。
また別表8は特別管理加算のIもしくはⅡに該当する利用者様となります。
②特別訪問看護指示書が交付された場合
特別訪問看護指示書は医師が訪問の必要性があると判断し交付するものであるため退院日からでも訪問が可能です。ただし指示期間が退院日の日付が含まれている必要があるので注意する必要があります。
また、可能であれば退院日の訪問の必要性がある等記載を依頼できると確実かもしれません。
③その他退院日の訪問看護が必要であると認められたもの
そのほか上記に該当しなくても医師により訪問の必要性が認められた患者さんに関しては訪問看護の利用が可能です。ただしこちらも有効期限内の訪問看護指示書があり、医師の指示が判る必要があるため指示書に指示内容を記載していただくか訪問看護記録に医師の指示のもとで訪問しているということがわかるように記載をする必要があります。
上記のいずれにしても前提条件の訪問日には算定ができず退院支援指導加算で算定を行うという点は変わらないので注意しましょう。
まとめ
退院日は、患者さんの新たな生活のスタートラインであり、訪問看護師のサポートが非常に重要です。しかし、これをスムーズに行うためには特定の条件を満たす必要があります。患者と家族の不安を和らげ、安心して日常生活を再開できるよう、訪問看護師としての役割を十分に理解し、適切なサポートを心がけましょう。医師やCM、SWとの連携も非常に重要になってくるため連携は密に取るようにしましょう。
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