訪問看護の基礎知識〜介護と医療どっち?〜

胡桃です!

本日は訪問看護師として介護保険と医療保険どちらを使うのかという疑問について解説していきます。

業務をしていてもわからなくなる問題ですが、非常に重要な問題でありCM様からなども質問される場合も多いのでよく理解する必要があります。

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目次

介護保険と医療保険なにが違うの?

介護保険と医療保険の利用者さんがいると言いますが何が違うのか初めての場合はわからないこともあると思います。訪問看護では状況に応じて介護保険と医療保険の適応が変わります。(例外として自費のサービスもあります)

介護保険は40歳になると誰もが加入する社会保険になります。サービスを受けたい場合は地域包括支援センターなどの地域の窓口に相談に行き、要介護認定審査を受けることで区分がつき、担当にケアマネージャーがプランを立案してくれます。

介護保険に加入すると、介護保険サービスの利用料が自己負担割合だけで済むようになります。自己負担割合は所得に応じて1割、2割、3割の3段階に分かれます。つまり、実際にかかった介護保険サービス料の9割、8割、7割は、介護保険から給付される仕組みとなっています。ただし、区分により限度額がありそれを超えた分は全額自費となります。

一方で医療保険ですが、日本は「国民皆保険制度」があります。すべての人が公的な医療保険に加入することで、いつでも治療を受けられ、私たちは安全でかつ安心な暮らしが保障されています。医療機関にかかったとき、健康保険証を提示すれば、私たちは医療費を自己負担割合に相当する分のみの支払いで済むようになっています。

介護保険と医療保険では利用できるサービスが違うので注意が必要です。

介護保険と医療保険どちらを使うの?

介護保険の適応になるのは要介護や要支援の認定を受けた65歳以上の人、要介護や要支援の認定を受けた40歳以上65歳未満で16特定疾病に該当する人になります。

上記に該当しない人は医療保険での介入になりますが、疾患によって医療保険が優先になる場合があります。

こちらの表に従って矢印を辿ることで適応が分かります。

特定疾病や厚生労働省が定める疾病についても理解する必要があります。

厚生労働省が定める疾病について(別表7)

厚生労働省が定める疾病については医療保険が優先となります。(別表7とも言われます)

週4日以上の訪問、2か所以上の訪問看護ステーションの利用が可能です。(指示書は統一する必要あり)

1日の回数制限はありませんが加算費用が異なります。同日の訪問も可能なので看護師とリハビリが同日に介入することもできます。

  1. 末期の悪性腫瘍
  2. 多発性硬化症
  3. 重症筋無力症
  4. スモン
  5. 筋萎縮性側索硬化症
  6. 脊髄小脳変性症
  7. ハンチントン病
  8. 進行性筋ジストロフィー症
  9. パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)
  10. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症,オリーブ矯小脳萎縮症 及びシャイ・ドレーガー症候群
  11. プリオン病
  12. 亜急性硬化性全脳炎
  13. ライソゾーム病
  14. 副腎白質ジストロフィー
  15. 脊髄性筋委縮症
  16. 球脊髄性筋委縮症
  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  18. 後天性免疫不全症候群
  19. 頸髄損傷
  20. 人工呼吸器を使用している状態

よく依頼があるのは末期の悪性腫瘍やパーキンソン病、ALS、頸髄損傷などが訪問看護には多い印象です。(地域やステーションにもよると思いますが)

指示書に上記の疾患があれば医療保険となるので比較的分かりやすいかと思います。

介護保険の特定疾病

40歳以上65歳未満の2号被保険者が介護保険を申請できる疾病が以下になります。

1.末期のがん

2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靭帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害・腎症・網膜症
13.脳血管性疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変性を伴う変性性関節症

上記疾患の場合は介護保険も申請することができます。厚生労働省の定める疾病と重複する場合があり、厚生労働省が定める疾病に該当する場合は訪問看護は医療保険での介入になりますが、介護保険での他のサービスは使用・併用可能となります。

まとめ

訪問看護が介護保険になるか医療保険になるかは疾病に該当するかどうかによります。

また年齢にもよるところがあり、介護保険の該当もなく医療保険の疾病にも該当しないという場合には医療保険で介入することになります。

介護保険でも難病があったり、医療保険でも介護保険のサービスを使用している人もいるので混乱しないようにしなければいけません。

また特別訪問看護指示書が出ると介護保険から医療保険へ切り替わるなどの例外もあるので注意が必要となります。

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この記事を書いた人

看護師・保健師 胡桃 30代メンズナース
訪問看護師をしています。

妻と子とのんびり暮らしています。
メインは看護・育児・お金などになりますがノンジャンルで発信していきます。

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