こんにちは!胡桃です!
今回は訪問看護で必要な看護技術について解説していきます!
新卒で訪問看護師を目指している人や、訪問看護を始めて期間が短い方、在宅実習のための看護学生のためになればと思います。
必須スキル①バイタルサインの測定
まず最初に必須のスキルとしてはバイタルサインの測定となります。測定といっても測定自体はそれほど難しいスキルではないのでバイタルサインを測定し何をアセスメントするかというスキルの方が重要になってくるかと思います。
バイタルサインの測定の仕方については看護学生でも習うものであるためやり方がわからないということはないかと思います。もちろん病棟で働いていてもバイタルサインの測定については必須となりますが、在宅では測定の頻度が病棟よりも断然少ないため経過を経時的に見ていくということが難しくなります。そのため一時的な異常値が一時的なものなのかそれとも悪化のサインなのかを判断しなければいけません。様子を見ることももちろん重要になりますが、次の訪問が1週間、2週間後であることもあるため本人や家族との相談が必須となります。
バイタルサインだけではなくもちろん総合的なフィジカルアセスメントのスキルが必要になってくるのですが、こちらは一朝一夕で身につくものではないので新人には難しいかもしれません。フィジカルアセスメントについては以下の記事を参考にしてください。
看護師が考えるべきこととして、バイタルが悪化していたらどうするかは事前に想定し訪問していくことが重要になります。
必須スキル② 静脈・皮下点滴注射
続いてスキルとして求められるのはルート確保になります。点滴については頻度自体は病院に比べれば少ないものの訪問診療と連携し点滴を落とすこともあります。その際には静脈ルートの確保をすることが必要になることもあるため、必須スキルとなります。病院と違って失敗したら次の人に変わるということが難しいのである程度の自信は必要になってきます。
また、訪問診療などに頼まれ採血の手技も時々必要になりますが、訪問診療の診察で実施することが多いため点滴よりは頻度は少ないと思います。訪問診療の同行看護師には必須のスキルとなります。
皮下注射については病棟で実施することはむしろ少なく在宅で実施することの方が多い手技になるため訪問看護師になって始めて実施する場合も多いですが、腹部持続皮下点滴などは静脈留置よりも手技は自体は難しくないため苦戦することは少ないかと思います。しかし速度調整は非常に難しいので必要時抜針時も訪問が必要になります。
必須スキル③清潔ケア・陰洗・更衣
訪問看護の依頼目的で最も多いのは体調確認や内服管理ですが、その次くらいに多いのが清潔ケアになります。
全身清拭はもちろんベッド上洗髪や陰洗、おむつ交換や更衣などは当たり前のように実施することになります。これらの手技は病棟でも当たり前に実施するものなので新卒でなければ特に苦戦することはないかもしれませんが、病院のように設備や物品が揃っていない中で実施しなければいけないため臨機応変の対応や素早い対応が求められます。
おむつをケリーパッド代わりにしたり、ペットボトルでお湯を流したりと在宅ならではの手技が必要になるため面白い部分ではありますが、型通りにならないのが難しいところではあります。
必須スキル④血糖測定・インスリン
在宅で糖尿病を原病歴や既往歴に持つ人は数多くいます。内服管理ですむレベルであれば良いですが、血糖測定やインスリンを実施している人もいるためそのサポートが必要になります。人によって理解度も異なる上、サポートも得られない場合もあるため看護師の管理スキルが問われる場面も多いです。
病棟では自分でできなければ看護師が実施してしまえば打ち損じることはないかと思いますが、在宅では必ず自分もしくは家族がやらなければいけません。インスリンや血糖測定は医療行為になるためヘルパーでは実施できないからです。
そのためインスリンや血糖測定の手技自体で困ることは少ないですが、管理方法には難渋することも多いです。家族や本人、先生、CM様と相談し一番効果的な管理方法を見つけていく必要があります。
必須スキル⑤褥瘡
続いて特指示が発効されることも多いのが褥瘡処置になります。褥瘡処置では月に2回特指示を発行することが認められているため連日訪問になることも多いです。
病院でも褥瘡はできるくらいなので当然在宅でも褥瘡は起こり得ます。エアマットなどを導入することも多いですが、体位交換自体の頻度が病棟に比べて断然下がるため褥瘡もできやすくなります。基本的に褥瘡ができるレベルであれば訪問診療を導入するか、施設入居を勧めていくことも多いです。あまりにひどい褥瘡であれば入院も検討になります。
洗浄し軟膏塗布をすること自体は難しくはないかもしれませんが、在宅看護では環境や処置の体制なども考慮しなければいけないためインスリン同様管理スキルが問われることになります。
必須スキル⑥ストマパウチ交換
最後に頻度自体は少ないですがストマ交換も在宅管理では必要なスキルになります。自身が担当していなくてもオンコールでストマから便が漏れてしまった、破けてしまったなどの連絡がありパウチ交換をしなければいけないことも多いため必要なスキルになります。単孔式や双孔式、ストーマの種類などについては知識が必要な部分ではありますが、パウチ交換自体はほとんど同様の手技でできるので最低限のスキルは身につけておく必要があります。
人によってはパウチの向きにこだわりがあったり、漏れやすかったりと病棟では考えられないようないろんなトラブルも起こってくるのでこちらも臨機応変に対応する必要があります。
まとめ
いくつか手技を紹介してきましたが、病棟で働いたことがあればある程度は経験している手技がほとんどかと思います。
新卒で訪問看護を目指している人は入職後に何度か同行し覚える必要があるため事前に勉強しておくと良いと思います。褥瘡などは毎日処置をすることも多いですがルート確保やストマパウチ交換などは訪問看護ではなかなか実施する機会もない場合も多いので注意が必要です。
基本的に訪問看護ステーションでは医療用の資材は置いていないことが多いのでルート確保の練習などもできないため、訪問看護師になってから身につけたい手技がある場合は上司に相談するようにしてください。
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