訪問看護の加算を理解しよう〜特別管理加算Ⅰ編〜

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目次

はじめに

特別管理加算Ⅰ及びⅡは、訪問看護において、患者様に対してより専門的で高度なケアを提供する必要がある場合に適用される加算です。

この記事では、特別管理加算Ⅰの概要、算定条件、金額などを詳しく解説します。

特別管理加算は24時間対応体制加算を取っていることが条件となります。

特別管理加算Ⅰとは

特別管理加算Ⅰは、特に重篤な状態の患者様に対して、専門的な知識と技術が求められるケアを提供する際の加算料金です。これによって、看護師が高度な医療技術を提供し、患者様の健康状態の安定を図ることが可能となります。

該当項目は以下になります

・在宅悪性腫瘍患者指導管理

・在宅気管切開患者指導管理

・気管カニューレを使用している状態

・留置カテーテルを使用している状態

上記のように特別な管理を要する利用者様に対して、計画的な管理を行なった場合に加算を取ることができます。こちらは医療保険でも同様の項目であり算定要件もほとんど同じと思っていただいて良いかと思います。

以下で具体的な算定要件を見ていきましょう。

在宅悪性腫瘍患者指導管理

算定要件は「在宅における鎮痛療法又は悪性腫瘍の化学療法を行っている入院中の患者以外の 末期の患者に対して、当該療法に関する指導管理を行った場合に算定する。」となっております。

要件:末期の悪性腫瘍又は筋萎縮性側索硬化症若しくは筋ジストロフィーの患者 であって、持続性の疼痛があり鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないため注射による鎮 痛剤注入が必要なもの又は注射による抗悪性腫瘍剤の注入が必要なものが、在宅において 自ら実施する鎮痛療法又は化学療法をいう。

詳細:「悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法」とは、末期の悪性腫瘍の患者であって、持続性の疼痛があり鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないため注射による鎮痛剤注入が必要なもの又は注射による抗悪性腫瘍剤の注入が必要なものが、在宅において自ら実施する鎮痛療法又は化学療法をいう。

鎮痛療法について:鎮痛療法とは、ブプレノルフィン製剤、モルヒネ塩酸塩製剤、フェンタニルクエン酸塩製剤、複方オキシコドン製剤、オキシコドン塩酸塩製剤、フルルビプロフェンアキセチル製剤又はヒドロモルフォン塩酸塩製剤を注射又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプ若しくは輸液ポンプを用いて注入する療法をいう

化学療法について:化学療法とは、携帯型ディスポーザブル注入ポンプ若しくは輸液ポンプを用いて中心静脈注射若しくは植込型カテーテルアクセスにより抗悪性腫瘍剤 を注入する療法又はインターフェロンアルファ製剤を多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、 ヘアリー細胞白血病又は腎癌の患者に注射する療法をいう。

上記より内服のみで疼痛コントロールなどを行なっている場合には算定できないことがわかります。

注射やポンプなどによって薬剤を注入しており、疼痛コントロールを行なった上で計画書やプランに管理方法を記載し本人への説明(指導)を行なったときに算定できるとなっております。

各薬剤などについては変更されている場合もあると思いますので都度確認が必要かもしれません。

在宅気管切開患者指導管理

算定要件は「気管切開を行っている患者であって入院中の患者以外のものに対して、在宅における気管切開に関する指導管理を行った場合に算定する。」となっています。

条件は他にはなく、気管切開を行なった患者に対して指導及び管理を行なった場合に算定できるため、計画に含めた上で、気管切開部分の観察及び管理がしっかりとできていれば算定できることになります。人工呼吸器やスピーチカニューレなどの医療機器に関しては使用の有無や指定はないようです。

上記2つの指導管理に関しては基本的には主に医療機関で行い算定を取ることも多く医療機関で指導管理料をとっていれば算定が可能になります。ただし、医療機関で指導管理を行なっていなくても条件を満たせば訪問看護でも算定自体は可能です。

気管カニューレを使用している状態

算定要件はそのまま気管カニューレを使用している状態であれば算定可能です。

訪問看護師にて観察及び管理を行なっていれば算定することが可能となります。

留置カテーテルを使用している状態

留置カテーテルというと在宅では膀胱留置カテーテルが一番多いかもしれませんが、腎ろう、膀胱ろう、胃瘻、経鼻経管栄養チューブなども該当になります。しかし、単にカテーテルが挿入されているだけでは算定できません。

計画的な管理を十分に行なっている場合に算定ができるので、排液の性状や量、注入状態、IN-OUTバランス、皮膚状態の観察、カテーテル周囲の状態の観察などを計画書に記載し、本人に説明の上、記録にも残す等で管理を行うことで算定が可能となります。

胃瘻があるけれど使っていない、CVポートが埋め込まれているけれど注入していないなどの場合には算定できないので注意する必要があります。また、同様に一時的に挿入されたドレーンなども該当はしないので覚えておく必要があります。

一方で交換や洗浄などを行なっていなくても計画的な管理を行なっていれば算定が可能となります。膀胱留置カテーテルの交換はしていなくても、排液の性状や量を記録し医師との連携を図り計画書、記録に記載することで加算を取ることが可能になります。

単位数・金額について

特別管理加算1の単位数は500単位/月となります。

1割負担で介護保険、医療保険ともに500円〜550円程度の負担になります。こちらは該当する状態であれば毎月算定を取ることが可能です。

本人、家族に説明した上でCM様のケアプラン等にも組み込んでいただくようにしましょう。

膀胱留置カテーテルなどは抜き差しも多い場合は加算のつけ外しが大変になりますが、月に1度でも当該状態のうちに訪問していれば算定可能なので注意しましょう。

まとめ

特別管理加算Ⅰは、訪問看護の中でも特に高度なケアが必要な患者様に対して重要な役割を果たします。この加算により、患者様は必要な医療サービスを受けることができ、その生活の質を高めるためのサポートを受けることが可能となります。

算定要件をよく確認の上、本人や家族にしっかりと説明を行いケアプランにも組み込んでもらうことが重要になります。該当しているか曖昧な場合は介護保険課などに確認を行い算定要件を満たしているか確認すると良いでしょう。

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この記事を書いた人

看護師・保健師 胡桃 30代メンズナース
訪問看護師をしています。

妻と子とのんびり暮らしています。
メインは看護・育児・お金などになりますがノンジャンルで発信していきます。

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