緊急時訪問看護加算とは?
緊急時訪問看護加算は、患者様の状態が急に変化したり、急な看護ケアが必要となった際に、迅速に訪問看護師が対応するための特別な加算です。24時間の連絡体制と計画外の緊急訪問を必要に応じて行う体制をとっていることに対する評価になります。
通常の訪問看護と異なり、夜間や休日でも対応が求められることがあります。この加算は、そのような緊急時に訪問看護師が素早く対応するための費用として設定されています。
名称としては介護保険では「緊急時訪問看護加算」、医療保険では「24時間対応体制加算」となっています。
緊急時訪問看護加算の単位数は574単位のため、1割負担であれば月々640円前後の請求となります。(これに加えて緊急で訪問を行うと訪問料金は別途加算されます)
24時間対応体制加算も医療保険の負担が1割であれば月々640円程度になります。
いつ適応されるのか?
緊急時訪問看護加算は、CM様と利用者様へ説明し契約後に適応されます。適応に関しては条件は定期での看護師の訪問が予定されていることのみであり、本人が希望すれば加算をつけることが可能です。(必要性をアセスメントし押しつけにならないように注意する必要があります)。そのためリハビリのみの介入であればつけることはできません。
CM様にて作成をするケアプラン及び提供表に緊急時に対応する内容が入っている必要があります。
契約後かつ医師の指示期間内であれば緊急での訪問が可能となるためにご利用者様に緊急時の連絡を渡す必要があります。緊急時の連絡先は初回で渡す場合もあれば契約時に渡すこともあります。ステーションで統一しておくと良いと思います。指示書の到着までの期間にもよりますし、オンコールの担当が変わる場合に緊急訪問が初回訪問にならないようにするなどステーションによる都合もあると思いますのでCM様やご利用者様にいつから適応なのか説明をする必要があります。
緊急訪問に関しては以下のような場合に対応が可能です。
- 患者様の体調が急激に変化し、急な医療介入が必要な場合。
- 医療機器の故障やトラブルにより、専門的な対応が必要な場合。
- 夜間や休日、通常の訪問時間外に患者様からの要請があった場合。
- 転倒や転落などで医療者による介助が必要な場合。
上記は1例のために緊急連絡があり、状況をアセスメントし必要あれば訪問し解決をしていくことになります。オンコールに関しては各ステーションにてマニュアルなどを作成し担当者がしっかりと対応できるようにしておくと良いと思います。
加算は月の初回の訪問に付随するため月に1回も訪問がなければ電話対応をしていたとしても算定を取ることはできません。
夜間・早朝加算、深夜加算について
夜間・早朝加算、深夜加算は訪問をする時間により定期の訪問に付加される加算になります。
夜間・早朝加算:18:00-22:00,6:00-8:00 25%
深夜加算:22:00-6:00 50%
上記の割合で訪問料(加算)が追加されます。(契約時に説明をしておく必要があります)
ただし注意点は介護保険の場合は同月2回目以降の緊急訪問看護に加算がされる点になります。
医療保険の場合は1回目の夜間の緊急訪問でも加算を取ることができます。
緊急時訪問看護加算の追加について
緊急の訪問に関しては緊急時訪問看護加算をとっている場合にできるものになります。そのため夜間に緊急の契約していないご利用者様から連絡がくることは稀(事業所の電話が24時間体制でつながる場合は別)ですが、日中であれば緊急時訪問看護加算をとっていないご利用者様から緊急訪問してほしいと連絡がくることもあります。
その時はステーションとして対応しないという方針をしている場合を除いて、ご利用者様及びCM様に了承が得られれば月の途中からでも追加することができます。その場合はケアプランの変更を行いその1月のみ算定を取ることも可能です。
緊急訪問が必要になった理由をアセスメントし翌月より当該加算をつけるか検討する必要があります。
まとめ
訪問看護の緊急時訪問看護加算は、突発的な健康問題や緊急のケアニーズに迅速に対応するための重要な制度です。自宅でのケアを受ける患者様にとって、安心して生活を送るための支えとなるでしょう。
この加算により、患者様とその家族は夜間や休日でも、必要なケアを受けられる安心感を持つことができます。訪問看護の利用を検討している方は、この加算についても理解しておくと、より安心して訪問看護のサービスを利用することができるでしょう。
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