訪問看護師の救急車同乗は可能か?考察。

こんにちは!

本日は訪問看護師が救急車を呼んだ際に同乗することができるのかを調べてみました。
というのも意外に同乗した経験がある看護師が多かったので、制度上可能なのか事業所ごとの対応なのか気になったためです。

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結論

結論から言うと現在の制度上は訪問看護師の救急車同乗は困難です。

しかしネットや文献もいくつかみてみましたが、私が見つけられなかっただけかもしれませんがそもそも救急車の同乗の項目が存在しません。
つまり、現在の制度上同乗すること自体が想定されていないということのようです。(タイトルを考察にしたのは記載自体がなかったためです)
そうなると介護保険及び、医療保険での対象外となるため、自費での対応となります。
事業所ごとの対応にはなりますが自費であれば同乗は可能です。しかしそもそも同乗するケースは家族が対応できないケースが多く本人の意思決定もできないことも多いと思います。そんな中かつ緊急の現場で自費の料金を説明し、何時に終わるかわからない付き添いを行うことは現実的ではないかと思います。

現状

事業所の方針で救急車の同乗が認められている場合はその後の予定を全てキャンセルしななければいけず、仮にスケジュールが空いていたとしてもいつ終わるかわからない上に帰りも自身で帰ってこなければいけない(もしくは迎えに来てもらう)のは非常に時間とコストがかかります。それでも同乗するのはおそらく善意での対応となりますが、結局訪問看護師が同乗しても情報を伝えることはできますが意思決定や入院手続きなどはできないため家族もしくは代理人の訪問は必須になります。訪問看護師が付き添って欲しいのは病院の都合だと思いますが、意思決定のできない同行者が必要なのかは疑問です。もちろん情報を提供しないというわけではなく、救急隊には必ず訪問看護の所属や連絡先をお伝えするので必要な情報があれば電話で済むのではないかというのが個人的な意見です。

また、ケアマネさんやヘルパーさんが同乗を求められるケースもありますがこちらも同様に義務はありません。
ケアマネさんも対応しがちな案件ではありますが、基本乗らないことが原則のようです。というよりその制度も整備されていないようです。後から付いていくというケースもありますがそちらも現状善意での対応です。

基本は遠方でも家族がいるのであれば病院に向かってもらうが正解となります。

問題点と課題

まずは費用面での課題です。仮に自費で対応するとなると利用者様には相当の金額負担がかかります。1時間で済めば良いですが、2時間、3時間と対応にかかるとそれだけで何日分かの入院費にも相当することになります。もしかしたら事業所によっては長時間加算などで対応していることもあるのかもしれませんが、その同乗は家で看護を行うことが前提となっているケアプランにも指示書にも組み込まれていないため責任の所在が不明確となります。
勝手に付いてきただけと言われてしまったらおそらく勝てないと思います。

難しい問題ですが、極端な話を言えば身寄りのないホームレスが搬送され入院できるように同乗しなくてもなんとかなるのが事実だと思います。

今後の制度の整備が進むことを願います。

感想

善意は非常に大事だと思います。それまでの関係性もあるでしょうし、事業所として同乗を認めることも否定はできません。本人が自費でも望むのであればそれはそれで良いと思います。(責任問題は置いておいて)

しかし同乗しなくてもおそらく情報のやり取りはできると思いますし訪問看護師の役割は救急隊員にできる限りの情報提供を行い、病院が情報不足しているのであれば情報提供をTELやサマリーなどで提供することだと思います。

1人に付き添うことで他の利用者様に迷惑がかかる、スタッフが拘束されてしまうのは良くないと思います。
これはケアマネさんやヘルパーさんにも同様のことが言えるのでお互い相手の立場を理解し伝え合うことが重要だと思います。

救急隊の方も大変なのはよくわかります。しかし現状在宅の医療者は同乗できないことが原則とご理解いただきたいです。

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この記事を書いた人

看護師・保健師 胡桃 30代メンズナース
ゆら訪問看護ステーションにて所長をしています。

妻と子とのんびり暮らしています。
メインは看護・育児・お金などになりますがノンジャンルで発信していきます。

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