訪問看護の立ち上げの感想

今年も色々なことがありました。
ブログもなかなか更新できておりませんが、1年間ありがとうございました。

今年は訪問看護のスタートアップメンバーとして、7月から活動させていただきました。
多くの課題に直面しながらも、非常に有意義な経験だと思いながら日々奮闘しています。まだやっと半年乗り切ったというところではありますが、半年乗り切れたことは非常に大きいと思います。
本日はその感想と今後の課題について独り言です。

  1. 計画段階の重要性
    基本的に経営に関してはあまり関与はしておりませんし立ち上げとは言っても、スタートアップメンバーというだけで代表でもありませんが、訪問看護を運営するという部分では非常に計画性は重要だと思います。資金繰りはもちろんですが、採用に関しても少し間違えると収益と人件費のバランスが悪くなり経営がうまくいかなくなることは怖いと思いました。訪問看護は特に利用者様の依頼がきてサービスを開始しそれがお金になって返ってくるまでに時間がかかるためそれだけ余裕資金が必要となります。これは運営している中でずっと課題となる部分で利用者の数、対応するスタッフの数、収益と人件費や設備投資などバランスを考えることは非常に難しいです。
    需要があるのは確かですが、同業他社も多い中で差別化を図り、理想のステーションを目指していくのはとても大変ですがやりたい看護ではなくやってほしい看護ができるよう向上できたらと思います。
    これからも少しでもそんな計画に携われたら嬉しいです。
  2. 多職種協働の難しさ
    前職でも看護師はもちろん、セラピストの方々とお仕事をさせていただきましたが非常に学ぶところが多いです。お互いに求める部分が違う上、病院とは異なり個々がそれぞれのケアを行なっていくため何を考えながらどこを目指しているのかを擦り合わせていく必要があります。最低限を行うのはそこまで難しいことではないですが、最大限を掛け合わせることができれば非常に良い医療が提供できると思います。短い時間の中での最大限は非常に難しいですが、ゴール設定を間違えずに連携できればと思います。一方で医療には限界があることも事実なのでアセスメント力も非常に重要になってくると思います。
  3. 地域社会との連携
    地域の医療機関や社会福祉施設、居宅介護支援事業所との連携が、サービスの質を高める上で不可欠であることを実感しました。
    地域に根ざしたサービス提供のためには、これらの関係性の構築が欠かせず、自社内での連携だけではなく外部機関との連携も不可欠になります。営業はもちろんですが、電話での報告相談でも関わり合い共有することは非常に重要です。しかし相手の時間を奪うということも考慮しながら行動しなければいけないので、こちらからの一方通行では関係性の構築が難しくなります。
    一番はご利用者様のために何を伝え、どのように行動しなければいけないのか全スタッフが考えられると良いと思います。
  4. スタッフ教育の必要性
    教育というのは非常に難しいです。仕事に対しての考え方はもちろんですが、それぞれの性格や考え方を理解し必要なことは修正し成長を目指していくのは1年、2年ではできないことだと思います。今は転職の多い時代なのであわなければ辞めてしまうというリスクももちろんありますし、ただ指導すれば良いということではないため働きやすくかつ成長のしやすい環境というのは管理職はもちろん、みんなで改善案を出せれば良いと思います。
    「シンプルかつ効率的に、そして経済的に」・・・難しいです。

    自分自身も成長していきたいと思っています。看護師の新人時代からずっと自信があったことはありません。いくら手順を覚えようが、いくら知識を入れようが医療に終わりはなく、相手によっても考え方ややり方を変えなければいけない。体調に問題がないとしても何か知らない知識で見落としているかもしれない。そんな不安はずっとありますがそれが自然だと思っています。

    私のやり方が全てという医療者はただの自己満足ではないかと思います。
  5. コンプライアンスの認識
    コンプライアンスというのは非常に難しいです。やらなければいけないことはやれば良いですが、やらなくてもいいけれどやったほうが良いことというのは多くあります。余計にコストや手間がかかったりもします。
    また考え方も人それぞれなので何がコンプライアンスとして正解かは常識や制度にもよる部分もあります。
    訪問看護の制度自体はまだ完璧ではなく、解釈による部分も多いのでステーションとして正しい道を行けるようにしていきたいと思います。
  6. やりがい
    病院は治療が終われば退院になります。しかし訪問での看護は人の生き方に寄り添わなければいけないので非常に難しくやりがいがある部分でもあります。治療を行いながらも生き方に選択肢を提供し臨むような生活に近づけていくことは自身の生き方も含めて多く学ぶことがあるので楽しくもあります。
    楽しくない、趣味もない、やることもないという人もいますが、何か一つでも会話の中で楽しいと思っていただけることがやりがいだと思います。
    楽しいという感情や笑うということは生きる中では大切にしなければいけないことだと思います。
  7. まとめ
    自社の利益を考えつつ社会貢献を行うことは社会人としても医療者としても大切です。
    働く中で楽しくかつ働きやすい職場を目指しながら、試行錯誤していければと思います。
    訪問看護は儲かると言って始める人も多いと思いますが、閉所してしまうステーションが多くあるのも事実です。良い環境と良いスタッフがいなければ成り立たず、さらに継続して良い医療が提供できなければ地域に認められずに潰れてしまうということもあります。小さい規模でも丁寧にうまくやっているステーションもあれば拡大しながら地域の受け皿としてなんでも受け入れるというステーションもありますが、どちらが良いというわけではなくニーズに合わせたステーションとして地域・利用者・スタッフ・経営者それぞれが良いと思えるステーションにしていきたいです。

    来年も良い年になりますように。
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この記事を書いた人

看護師・保健師 胡桃 30代メンズナース
ゆら訪問看護ステーションにて所長をしています。

妻と子とのんびり暮らしています。
メインは看護・育児・お金などになりますがノンジャンルで発信していきます。

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