訪問看護が始まるまでの流れについて解説

こんにちは!

本日は訪問看護の開始までの流れについて解説していきます。
新規の調整は管理職しかやらないという事業所も多いかもしれませんが、プレイヤーも知っておくと非常にスムーズに動くことができるようになります。

介護保険と医療保険では始まるまでの流れが変わるので分けて解説します。
看護師とセラピストの依頼では若干聴取する内容などは変わってきますが、流れは概ね同じとなります。

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目次

介護保険のご利用者様

スタンダードな流れ

介護保険での一番の正規の流れは以下の通りになります。
①ケアマネージャー様から事業所の依頼の電話がある。
ここで事業所はご利用者様のお名前、生年月日、住所、性別、介護度、病名、連絡先、導入となった経緯、かかりつけの医療機関、希望する職種(看護師、セラピスト、両方など)介入の条件などを聴取します。
住所によっては受け入れを断ったりしなければならないため必ず聴取を行います。
また、介入の条件を聞いておくのが良いと思います。何曜日の何時ごろを希望されているのか、男女の性別の希望はあるのかを聴取を行います。


②受け入れが可能かどうかを返答する
依頼の電話の時点で確実に受け入れが可能な場合はその場で返答して問題ありませんが、条件が細かい場合などは一度持ち替えるのが良いと思います。介入できると伝えてから条件が違ったなどの場合はケアマネージャーを含めた、他機関に非常にご迷惑がかかります。そのため条件がある場合はこの場合であれば入れますなど事業所側の条件もお伝えするのが良いと思います。

③CMが家族に許可を得る、その後基本情報をもらう
訪問看護の了承が得られたら、CM様が本人、家族に最終確認を取ることになります。確認後問題なければ基本情報を送っていただくように事前に手配しておくのが良いと思います。
事前に許可が得られている場合は②の時点で基本情報の手配をすると良いでしょう。

④指示書の依頼をかける
基本情報をいただいたら、指示書を依頼するステップになります。ただし指示書の依頼は本人・家族が行う場合、CMが行う場合、訪問看護の事業所が行う場合があるのでCMとの擦り合わせが必要になります。
事業所側で依頼をかけてよいか確認をし、確認が取れたら病院に連絡を行い依頼書を郵送することになります。

医療機関によっては郵送での依頼を受け付けていない場合や、本人・家族が依頼書を持参しなければいけない場所もあるので病院に確認を行う必要があります。
また、受診でDrに訪問看護を利用したいと本人が伝えていないと受け付けてもらえないケースもあるので、依頼書の郵送時は必ず病院へ事前に確認を行いましょう。

⑤担当者会議の予定を立てる
④まで終了したら担当者会議の予定を立てることになります。ただし、担当者会議は始まる当日に行う場合も多く、指示書が届いてから連絡をくださいという場合が多いです。
指示書が届くのに2、3週間かかることもあり、事前に担当者会議や契約をしたいという場合もあるので、ケアマネージャー様と擦り合わせが必要です。

⑥担当者会議、契約を行う
実際に担当者会議を行うことでケアプランや提供票をケアマネが作ることが可能になります。そして契約を事前に行うことですぐにサービスを始められるように準備することが望ましいです。
この担当者会議で訪問看護の内容や日付の最終確認を行います。事前に決まっていなければこの担当者会議で決めていくことになります。

③で保険情報をもらっていない場合は必ず保険証を確認しましょう。
介護保険証、介護保険負担割合証は必須となります。
難病など公費がある場合もあるので確認しましょう。

⑦サービスの開始
指示書、契約、ケアプラン、提供票、担当者会議の実施、これらが揃って初めてサービスを開始することができます。
なお、計画書の作成をすることが初回加算を取得するための条件にもなっているので必ず作成しサインをいただくことも重要です。(初回までに作成ができない場合は可能な限り早めの作成・取得が望ましいです)

スタンダード以外の流れ

前提として上記の指示書、契約、ケアプラン、提供票、担当者会議は必ず必要になります。
そのためどのような手順になろうとも上の手順を踏む必要があるのですが、その入手経路が様々異なる場合があります。
①基本情報が届かない
→ケアマネージャー様もご利用者様との関わったばかりの場合は基本情報自体も作成していないということがあります。その場合は口頭で最低限の情報(名前、生年月日、医療機関、希望職種など)をお伺いし指示書のフェーズに進みます。

②指示書の入手経路
→通常郵送で依頼を行うことが一般的ですが、訪問診療などは話が通っていれば口頭でもFAXを送ってくれるなど手間が非常に省けるケースもあれば、逆に指示書を書いたことがないので見本や依頼書を持ってきてほしいなどイレギュラーなケースも起こります。
また依頼書を本人や家族が持っていかなければいけない場合は依頼書を届けるという段階も発生します。

③まとめて行う場合
指示書が届いてから全てをまとめて行う場合もあります。
その場合は担当者会議、契約、初回訪問を同時に行わなければいけないことがあります。
基本情報がなくこのパターンの場合は非常に情報も少ない中初回開始となるため、やや大変になる可能性があります。

注意事項

①看護師による評価訪問
リハビリのみが介入する場合は看護師が必ず初回の評価を行わなければいけません。
そのため契約に同席を行ったり、初回のサービスに同行したり、全く別でサービスを組んだりと調整が必要となります。

医療保険のご利用者様

スタンダードな流れ

スタンダードな流れは介護保険と同じ流れで進むことになります。
ただし、医療保険の場合は介護保険を調整するケアマネージャー様が関与しない場合も多いために主に事業所主体で動かなければいけないことが多いです。

ポイント

上記介護保険の流れが頭に入っていれば基本的には困ることはありませんが以下を注意する必要があります。
①指示書 ②契約 ③保険証・公費 を必ず確認し調整しましょう。
ケアマネージャー様が間に入ってもらえる場合は良いですが、介入しない場合に関しては直接ご本人様やご家族様と連絡をとり、今後の流れを説明したり情報を収集する必要があります。
指示書が届くまでに時間がかかる場合は届いてから連絡するのか、届く前に一度訪問し契約などを行うのかをしっかりと話し合っておくと良いと思います。
訪問したら必ず保険証情報を確認するようにしましょう。

まとめ

新規の調整はやることも多く、認識の擦り合わせが必要なので大変な作業になりますがスムーズに進められることができるように基本的な流れは理解しておく必要があります。臨機応変に対応しなければいけないことも多いため基本をしっかりと理解した上で、相談をしながら進めておく必要があります。

複数人で行う場合は必ず進捗を確認しずれが生じないようにする必要があります。
全員が流れを理解し共同してできるとスムーズな介入はもちろん業務負担の軽減にもつながると思います。


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この記事を書いた人

看護師・保健師 胡桃 30代メンズナース
ゆら訪問看護ステーションにて所長をしています。

妻と子とのんびり暮らしています。
メインは看護・育児・お金などになりますがノンジャンルで発信していきます。

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